ダイヤリ
by naniwametal


“幻のハラミ”あった~!


 映画『SUPER FOLK SONG~ピアノが愛した女。』の試写を観てきました。


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 え~と、矢野顕子のレコーディングに密着した'92年公開のドキュメント映画──そのデジタル・リマスター版です。
 何でも今年は、彼女のソロ・デビュー40周年ということで、ライヴなど色んな企画が行なわれているそうで、約四半世紀を経たこの復活上映も、そんなアニヴァーサリー・イヤーに際してのモノだとか。
 つか、当時レイト・ショーの動員記録を塗り替えたというこの映画のことは、情けないことに全く知りませんでした。
 レコーディングの模様が撮影されたピアノ弾き語りカヴァー・アルバム『SUPER FOLK SONG』('92)のことも…。

 そもそも、矢野顕子の何を知っているのか?
 キッカケはYMOで、リアル・タイムで初めて聴いたアルバムは『ごはんができたよ』('80)。
 その後、デビュー作『JAPANESE GIRL』('76)まで遡り、『愛がなくちゃね。』('82)ぐらいまでは、一応聴いてはいました。
 ですが、以降は積極的に追いかけることもなくなり──YMOもそうでしたが──そのうちに、時々TVや雑誌で見かけたり、ニュースなどを耳にしたり…といった程度に。
 それでも、どこか片隅で(?)ずっと気になるアーティストではあったし、もの凄~く薄~いけど、ずっと何となく“ファン”みないなモノではあり続けていた…ような気はします。
 (だから、“東京は夜の7時”と言われたら、ピチカート・ファイヴではなく、すぐに矢野顕子が思い浮かぶのです)

 で──今回初めてこの映画を観て、改めてイイな~と。
 『SUPER FOLK SONG』は、全て一発録りのピアノ弾き語りライヴ・レコーディングにこだわったアルバムで、グランド・ピアノを前に、ひとり苦闘する矢野顕子の姿が捉えられてます。
 一発録りだからパンチ・インなんて絶対にやらせない──OKテイクが録れるまで、何度も何度もやり直します。
 中でも「中央線」にはヤラまくり。
 何度目かのテイクで「こりゃイケる」…と思ったら、間奏でミスって、また最初からやり直し。
 そういった、トチりまくってイラつく様子、自らカウントを入れてイントロに入る瞬間、やり直す度に手慣らしで(?)弾く短いフレーズ…なんかも、見どころのひとつかも。
 言わずもがな“類稀なる異能的天才”である彼女のことは、ミスとかそういうのとは無縁な人だと勝手に思い込んでいたので、ここに映し出される姿はちょっと意外でした。
 いや、相当に難しいことやってるんですけどね。
 でもって、そこにピリピリした空気や、極限状態といったムードもありません。
 実際にはあったのかもしれないし、そう感じる人もいるかと思いますが、個人的にはそういうんじゃないかと。

 映像は全編モノクロ。
 わりと淡々と録音風景を追いかけてて、レコーディング・スタッフやマネージャーといった裏方達の、気遣いや気苦労なんかも見られるし、採り上げられたカヴァー曲にまつわる人達──鈴木慶一、谷川俊太郎、糸井重里、宮沢和史──のインタビューも挟まるものの、無駄な演出を加えたりはせず、決してドラマティックな仕上がりにはなっていません。
 テロップも本編には一切ナシ。
 なので、デイヴィッド・ラビンソンとかいう外人は、観ていて誰だか全く分からなくて…。
 ベルウッドを立ち上げた人もしかり。
 でも、そこで語られるローウェル・ジョージのエピソードとか、めちゃ凄まじいです。

 監督は坂西伊作。
 所謂ひとつの映画カントクではなく、主にPVとかライヴ映像を撮っていた達人らしいです。
 矢野顕子については、この映画の前にも、NYでの生活や音楽活動に迫ったドキュメンタリーを撮った経緯があったそうで…というか、それがあってのこの映画だったみたい。

 それにしても、矢野顕子──何と魅力的な人なんでしょう。
 ついつい出てしまうタメ語とか、英語での呟きとか叫びとかも、とにかく素敵。
 鍋焼きうどんを前にした表情も最高。
 全てにおいて、独自の世界を持っていて、メロディもリズムもブッ飛んでるのに──何だか人懐っこくて、ひたすら表情豊か。
 そして、何もかもを包み込んでしまうあの“声”が…マジ堪りません。

 尚、このリマスター版の公開はちょい先。
 '17年1月6日より、新宿バルト9など全国の劇場にて15日間限定ロードショー!
 …だそうです。
 音響のイイ映画館だとイイですね~。
 
 
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by naniwametal | 2016-11-18 05:32
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