ダイヤリ
by naniwametal


MBJの審査員も…!



★ ☆ ★ ☆  S I G H Interview 2015 Part 2  ★ ☆ ★ ☆



 



お:今回も多数のゲストが迎えられていますが、最も驚いたのはケリー・サイモンです。しかも、アルバム冒頭からいきなりネオクラ・ギターが炸裂していますね? 彼を起用しようと思ったキッカケは?

川嶋:ケリー氏に参加をお願いしたのは、大島に声を掛けるよりも大分前でした。まだ決定的とは言えないまでも、石川のプレイに対する不満が大きくなり、このままの状況でレコーディングを続けても、思うような作品には仕上がらないだろう…という思いから、せめてギター・ソロだけでも面白いことが出来ないか…と考え始めました。ケリー氏はSCARLET GARDENというエクストリーム・メタル・バンドにも参加しているし、きっとこういう音楽にも理解を示してくれるのではないかと思い、声を掛けてみました。


     
      ▲ケリー・サイモン


お:ただ、ケリーのスタイルは大島とカブるところも多い…というか、言ってみれば、今回のケリーのプレイは、どれも大島に弾いてもらうことが可能だったのでは?

川嶋:いや、2人のプレイって全く違うと思いますよ。ケリー氏は恐らく、バックのコードに対して使えるスケールを意識して、ソロを組み立てているのではないでしょうか。「Kaedit Nos Pestis」の冒頭って、機能和声的でない、ただのコードの連結なので、非常にソロが組み立て難いんですよ。それをあれだけ自然に聴かせるソロを持ってくるというのは、流石だと思いました。対する大島は、適用出来るスケールは何か…みたいな考えはなくて、もっと感覚的に弾くタイプです。結構、普通の感覚とは外れた音をぶつけてきたりもするので、うまくハマればカッコよくアウト出来てるし、そうでないとやり直してもらう…みたいな感じでした。なので、少なくとも音の選択という意味では、正反対のタイプだと思います。


 
  ▲大島雄一


お:ギター・ソロといえば、DRAGONFORCEのフレッド・ルクレルクもガッツリ弾きまくっていますね? 今回、いかにもメタルな速弾きなどを沢山フィーチュアしたのには、何か理由があるのでしょうか?

川嶋:これは明らかに、過去の作品からの反動です。ギタリストの技量の問題で出来なかったことを、今回盛り込んだ感じです。それで、やるならば何事も過剰に…というバンドのポリシーに則って、速弾きソロも過剰に詰め込みました。


 


お:そのフレッド以外にも、豪華な顔触れがゲスト参加しています。TRIVIUMのマット・キイチ・ヒーフィーや、ROTTING CHRISTのサキス・トリス、SHININGのニクラス・クヴァルフォルトなど──それぞれどういった経緯で起用することになったのですか?

川嶋:実を言うと、ゲストの起用というのは、あまり深い意味はなくて──「最近、SIGHは何やってるの?」「ニュー・アルバムを作ってるところだよ」「そうなんだ。俺に手伝えることがあったら言ってよ」…みたいなパターンです。なので、音楽的な狙いとか深い思想みたいなのは、何もないです。勿論、参加してくれた人達は、SIGHがどんなことをやっているバンドなのかは理解してくれていると思うし、こちらも一目を置いているアーティスト達ですから、彼等の参加がアルバムにプラスとして作用することを予測した上で、お願いしているワケですが。


 


お:ヴァイオリン奏者のリリス・ハンは初参加ですね? 彼女はHUNGというバンドのメンバーだそうですが、どのようにして知り合い、今回起用することになったのですか?

川嶋:シンセサイザーやサンプル音源のクオリティも、近年非常に上がってきているのですが、やはりどうしても、ヴァイオリン・ソロの速いパッセージというのは、シンセでは納得いく音が出せなくて。それで、インターネット上でヴァイオリンを弾いてくれそうな人を探しました。彼女はジュリアード卒、さらに幾つかのメタル・バンドでヴァイオリンのゲスト参加をしているということで、お願いをしました。ソロのパッセージだけでなく、打ち込みのストリングスのトップにも重ねてもらったので、ゴージャス感は増せたと思います。

お:お馴染みのアダム・マットロックとメタトロン(THE MEADS OF ASPHODEL)も、引き続き参加していますね?

川嶋:アダムには、これまでも色々と参加してもらっているので、あまり細かい指示はせず、彼の好きなように録れてもらっています。彼はアコーディオンがとても良くて、今回も「Trial By The Dead」で聞けますよ。メタトロンには、大体いつもナレーションをやってもらっています。彼の英語は非常にイギリス訛りがキツイので、何か格調高いイメージ…というか。

お:サックスのパートに関しては、Dr. Mikannibalとアダムをどのように振り分けていますか?

川嶋:ソロをプレイしているのはDr.Mikannibalだけです。アダムは基本的に、テナー・サックスで低音を補強しているだけなので、2人の役割がぶつかることはありません。


     


お:ところで、「Kaedit Nos Pestis」「Graveward」などには、前作の「The Transfiguration Fear」以上に“歌っている”印象の、女声に聴こえるクリーン・ヴォイスが含まれていますが、アレはDr. Mikannibalでしょうか?

川嶋:Dr.Mikannibalです。コレ…「誰が歌っているのか?」という質問が結構多くて、少々意外でした。誰なのか分からない…という感じでは、全然ないと思っていたので。

お:恐らく、デス・ヴォイスのイメージがあまりに強くて、彼女がクリーンで歌うというイメージが湧かないからではないでしょうか。ちなみに、この女声クリーンに関しては、作曲の段階で「ここはDr. Mikannibalに」と決めているのですか?

川嶋:作曲の時点で、既に決めていますよ。デモの段階で私が仮歌を入れて、それをガイドに歌ってもらっています。


     


お:そういえば、アルバム冒頭のケリーのギターに被さって、「ブオォォオっ!」と唸るような低音が響いてきますが、他の曲にも使われているあの音は、アダムによる何かの金管楽器でしょうか? もしかすると、トロンバマリーナ(トルムシャイト)かも…と思ったのですが?

川嶋:あれはサンプル音源です。低音のブラス・サンプルなので、トロンボーン、テナー・トロンボーン、チューバ辺りのサンプルのハズです。

お:あなた自身が演奏した楽器、あるいは鳴らした機器(?)などで特筆すべきモノがあれば、どの曲のどのパートで使ったのかも含め、詳しく教えてください。

川嶋:今回、最も活躍したのは、ローランドのJupiter-50というシンセです。金管楽器のシミュレーションにおいては、現状これの右に出るのはないような気がします。但し、手弾きが出来ることが条件ですが。一番分かり易いのが、「Dwellers In Dream」の後半のブラス、あれは殆どJupiter-50で作っています。ヴィンテージ・シンセ中心という、当初のコンセプトを突き崩したのがこのシンセの登場でした。これを購入してしまったので、どんどんシンフォニックな路線にズレていってしまった…というか。


 


お:今回あなたのヴォーカルは、これまで以上にシアトリカルになっているように感じました。以前から感じていた、“ファルセットを使わないキング・ダイアモンド”といったイメージに、より近付いたとの印象も受けましたが…?

川嶋:確かに今回、ヴォーカルにヴァラエティを持たせようという意図はありました。所謂ハーシュ・ヴォーカルだけでなく、ファルセットやちょっとニック・ケイヴっぽい感じのとか、あとは、中央アジアの歌い方を混ぜてみたり。キング・ダイアモンドは大好きなのですが、歌い方という点では、故意にマネをしているとか、参考にしているというのは、実はありません。ただ、ファルセットに充分地声を混ぜられていない感じが、結果としてキング・ダイアモンドに近くなっています。それはそれで光栄なことなのですが。

お:“中央アジアの歌い方”について、もう少し詳しく教えてください。

川嶋:最も影響を受けているのは、トゥヴァですね。デス声や、音程がある歌い方の時も、仮声帯の震えを混ぜる歌い方です。まぁ、このテクニックについては、デス/ブラック・メタルでも、わりと無意識にでも使っている人も多いでしょうから、敢えて“中央アジアからの影響”という程のことでもないのかもしれませんが。


     


お:ところで、『GRAVEWARD』は国内リリースが決まったとのことですが、日本盤はマスタリング違いで、ボーナス・トラック追加もあるそうですね?

川嶋:日本盤のマスタリングは、大島本人によるモノです。欧米盤のマスタリングは、彼の本意に沿わない部分もあるので、日本盤については、彼自身が100%納得いくように、本人に任せました。また本編では、「The Forlorn」が、欧米盤とヴォーカルが少々違います。あと、8月にフィンランドのBlood MusicからLPがリリースされるのですが、そこに未発表曲「Lyric Suite」が追加収録される予定です。日本盤に入るボーナス・トラックは、前述の「The Forlorn」の欧米ヴァージョン、ケリー氏のギター・ソロを大島が弾いているヴァージョン違い2曲、「Out Of The Grave」のデモ・ヴァージョン、「The Molesters Of My Soul」のエンディング違いヴァージョン、それに、「Graveward Suite」が追加。いずれも未発表テイク、未発表曲です。


         
        ▲『GRAVEWARD』(ルビコン:RBNCD-1189)


 ちなみに、8月に出るLPフォーマットも、また別マスタリングになっていて、こちらはLP向けのマスタリングを施しています。アナログ2枚組で、ポスターや追加アートワークなど、かなりゴージャスな内容になる予定です。

お:欧米盤CDとLPのマスタリングを担当したのは?

川嶋:欧米盤CDは(ABUS、BURZUM、ELECTRIC WIZARD、OBITUARY、PESTILENCEなどとの仕事で知られる)ティム・トゥランです。注文はあまり細かく付けていません。“パワフルに”“シンフォニックに”…という程度で。LPのマスタリングは、誰がやっているのか、よく分かりません。Blood Musicのお抱えエンジニアがいるようですが。


 


お:では最後に、今後のライヴ予定を教えてください。

川嶋:6月19日にベルギーの“Graspop Metal Meeting”、7月10日にはデンマークで行なわれる3日間のフェスティヴァル“Metal Magic”に出演し、“Metal Magic”では、CANDLEMASSGIRLSCHOOLと共にヘッドライナーを務めます。
 あと国内は、7月17日に新宿BLAZE、同18日に原宿アストロホールでVENOM INC.の、9月25日に渋谷duo MUSIC EXCHANGEで、TRIBULATIONINQUISITIONWATAINのオープニングをやります。
 今年は現時点で、その5本を予定しています。

お:楽しみにしています! ありがとうございました。



     


     
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by naniwametal | 2015-06-03 00:14
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