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ダイヤリ
by naniwametal


『30日極夜』…ってデ●●マンかよっ!


 未だ強烈なインパクトが脳裏にこびり付いて離れないRAVEN再来日公演。
 あれから1ヵ月余、正にケタ外れとしか言いようがなかった熱狂と興奮と感動を振り返るべく、RAVENの面々とはもう20余年来の付き合いとなる熱血カメラマン、畔柳ユキ氏に“来日後”インタビューを行ないました~。


☆ ★ Yuki Kuroyanagi RAVENING Interview Part 1 ☆ ★



  
   ▲もはやRAVENのメンバーとは戦友とも言えるユキさん&ジョン!


お:こんにちは。
ユ:こんにちは。RAVENを観終わってから、他の仕事が全く手に付かない畔柳です~♪
お:いや~、ホント凄かったですね~。
ユ:当たり前じゃん! やっぱヤツらはスペシャルなバンドだわ。
お:そもそも、RAVEN再来日の報を最初に聞いた時はどう思いましたか?
ユ:そりゃもう嬉しかったよ。新作がリリースされて来日…という正しい流れだったし。まぁ、どれだけ若いHR/HMファンにもアプローチ出来るのか分からなかったけど――そんなことより、彼等のライヴが観られることがもう宝だから。
お:しかし…単独公演とは、ZAKさんも思い切りましたよね? ファンですら、「嬉しいけど…大丈夫?」なんて心配してましたから…。
ユ:正直言うと、私も若干…不安でした(笑)。でも、私はプロモーターさんじゃないから、動員面とかの不安とはちょっと違うかな。一番気がかりだったのは、マーク。パフォーマンスもステージングも間違いない人達なんで、事故に遭う前だったら不安なんてないけど、事故後のマークのステージを観ていないんで、どれだけあの“アスレティック・ロック”が再現出来るのか…という不安はあった。それが彼等の魅力のひとつだからね。
お:来日前もバンドとメールのやりとりとかされてたのですよね? 彼等はどんな様子でした?
ユ:勿論、3人ともメチャメチャ楽しみにしてたよ。14年前の来日が、彼等にとって相当インパクトのある出来事だったから。私が「ワクワクして待ちきれない」とメールすると「俺も ! 」みたいな返事が、ジョン・ギャラガーからすぐに来て、自分と同じようにアメリカで浮かれているのかと思うと、ちょっと微笑ましかったです。
 日本のRAVENのファンはちょっと別格でしょ? 待っている想いが強いし、熱い。それから、バンドに対してとても忠実。だから、そうゆう意味でも、日本のファンの前でプレイするのをとても楽しみにしてたよ。ただ、だからといって彼等には、特別なことをやっているという感覚ではないんだな。それは凄いことなんだけど、今回そう感じたかな。
お:ZAKでは“NWOBHM 30th ANNIVERSARY LIVE IN JAPAN”と銘打ち、一応、NWOBHMの30周年に引っ掛けてるフシがありましたが、本人達はNWOBHMということに関してどう思っているのでしょうか?
ユ:多分、“何故バンドをやっているのか?”とミュージシャン質問したら、普通は「成功して有名になりたい」「金持ちになりたい」と答える。でも、RAVENには、残念ながらそんなの全部関係ない(笑)。そうゆう意味では、セールス面で成功はしたとはいえないけど――自分達は現役バンドというキャリアがあるから、“懐かしい”というくくりで“NWOBHMバンド”にされるのは、嬉しくないと思う。
お:なるほど。
ユ:でもね、もはやそんな部分あまり気にしてないかもしれない。まぁ、今はみんなアメリカで生活しているから、“BRITISH”という位置付けは“懐かしい”という意味とは別に、イギリス人として嬉しいかもしれないけど。


       


お:来日当日はどんな様子でした? フライトが遅れて大変だったと聞きましたが…?
ユ:今回、短い滞在だったから、唯一ショウのない到着日の夜に「ご飯でも食べよう」とジョンと話してたんだけど、日本へ向けて飛行機が離陸した30分後に引き返す…という、RAVENらしい(?)アクシデントに見舞われました(苦笑)。エンジン・トラブルだったそうなんだけど、ジョンからメールがあって、「日本への到着は、予定より数時間遅れそう」…と。
 そんなワケで、到着当日の夜はみんなクタクタで、ご飯なんて行ってる場合じゃない夜23時過ぎに、やっと日本へ到着しました~。
お:ジョンは来日前に腰を痛めたそうですが…?
ユ:そうそう。飛行機が無事に到着して、良かったと思ったのもつかの間――ジョンがギックリ腰になっててね。あ~あ、まったくこのバンドは…って感じ(苦笑)。アメリカを発つ前日に、重いモノ持ってやっちゃったんだって。まんまホンモノのギックリ腰の人の歩き方で、見た途端、途方に暮れました――私。
 ところが、到着早々ホテルの前で、ビデオを回しながら「ここは日本で~す♪」なんてやってるヤツが約1名…(笑)。そう、マークは元気にビデオを回してましたよ。
お:らしいですね…(笑)。
ユ:ホント…その姿見て、足の(ケガの)ことなんて忘れてたよ。
お:というか、実際に随分よくなってましたね。ワタシが'04年にフロリダの“Sun N' Steel”フェスでRAVENのショウを観た時は、まだ杖をついてましたから…。
ユ:ジョンに「驚くよ」と言われていたんだけど、ピンピンしててホントに驚いた。流石は、足が粉々になってもスキーに行っちゃうぐらい、ヴァイタリティあるヤツだな~って(笑)。元々ポジティヴなヤツだし、ほんとガッツあるな…と。でも実際には、リハビリとか本当に大変だったそう。まぁ、足やヒザの神経が切れていて何も感じないから、本人は「もう暴れても平気」みたいなことを言ってましたけど…。
お:ジョーはどんな様子でした? やっぱり、オフの時もドゥームな感じ?
ユ:いえ…メチャメチャ明るいです。全然ドゥームじゃないし、他人に気遣いが出来る…ってか、かなりナイスなタイプよ。彼のことを悪く言うヤツはいないんじゃないか…というくらい、一緒にいてナイスで楽しい人です。
 ちなみに、怪獣の名前を全部言えるほど、ウルトラマンが大好き!(笑)
お:かなりのメニアだそうで…(笑)。
 ところで今回、ユキさん自身は、RAVENのライヴを観るのはいつ以来だったんですか?
ユ:'00年に渡米した時、ニュージャージーで観て以来です。


  


お:…で、いよいよ初日大阪公演が幕を開けたワケですが、雨降ってたし、お客さんも少なかったけど――正に少数精鋭で、スゲー盛り上がってましたね~。
ユ:大阪は朝から小雨だったけど、会場の外でサインを求めるファンが待っていて、メンバーも気さくにサインや写真撮影に応じていたし、ウェルカムな感じでスタートしたと思います。あ…でも、ギックリ腰のまま歩いてるひとりを除いての話だけど(苦笑)。
 そのジョン――リハーサルが始まった途端、すぐに機材のゴチャゴチャの中からインカム付けて、声を出したんだけど、それ聞いた瞬間、「今日のライヴは間違いなく最高だわ ! ! 」と思った。“この人の声帯はどうなってるんだ?”と、ビックリするほど綺麗に声が出でいたから。前回の来日より数倍イイ。とにかく、“ぱ~~~~~~ん”という『LIVE AT THE INFERNO』('84)のライヴ盤そのまんまの声がいきなり聞こえてきて、ぞくぞくしたよ。
お:ステージに上がって、楽器を持った瞬間、ギックリ腰もどこかへ飛んでいってた…?
ユ:いや、ジョンはリハーサル後に、そのまま整体に行って、このカイロがうまく合ったお陰で、いつも通りにパフォーマンス出来たと思います。カイロから帰ってきて、「午前中とは別人」と自分でも言ってたし。
 残念だったのは、大阪の会場の隣が楽器屋だったから、本当はそこに凄く行きたがってたのに、身動きが不自由だったジョンは、結局行けなかったこと…。
お:今回、RAVENにとって初の大阪公演だったワケですが、大阪のファンについてはどんな印象を持ちましたか?
ユ:大阪に集まった観客は、ひとり残らず全員がハイ・テンションだったから、もの凄くイイ空気だったし、それが会場を満員に見せてた。とにかく――開演前、終演後、曲間まで「RAVEN、RAVEN!」のコールだもの。あんなの見たことないよ。
お:確かに、あの盛り上がりを見れば、動員の少なさなんて気になりませんでしたよね?
ユ:普通に考えて、ブランクもあった彼等の活動から見れば、今、RAVENが日本でどのくらい集客力があるか、安易に想像はつく。そういうバンドの来日公演で、集客はファンの気にするポイントじゃないな…と。
 昔から言ってるけど、私にとってRAVENは、多くの人に観てもらいたいバンド。だから、「RAVENがまた観られるなんてラッキー!」とか、「メンバー自身が来日出来たことを楽しんでくれれば…」とか、そんな風に思っていたよ。


 


お:それにしても、何であのオジサン達はあんなに元気なんでしょう? さっきユキさんも言ってたように、ジョンなんて――前回来日時、ノドを痛めてたとはいえ――14年前よりも、ずっと声が出てましたし…!
ユ:ホントそうだよね。よく分からないよ。マーク以外、特に鍛えているワケでもないと思うし。こんな50歳もいるんだなぁ…と思った。だって、未だにアスレティック・ロックだよ? でも、もう体に染み付いた仕事というか、キャリアというか、あれが自然な姿なのかもしれない。私達には尋常じゃないと思えても。
 60歳になっても、あのステージをやってそうだもの。まぁ、THE ROLLING STONESとか、イギー・ポップのライヴ映像を観ると、“出来るんだなぁ”って思っちゃうけど。
お:その大阪公演終演後、バンドはどんな様子でしたか? 終演直後は、それこそ精魂尽き果てたような感じでしたが…。
ユ:ヘトヘトになっていたのは、ジョーだけだったよ。(ギャラガー)兄弟は、最初の20分くらいは息切れしてたけど、あとはケロッとしていたように見えた。それとも、年寄りの疲労は3日後に出てくるのかな?(笑)
 ショウの結果に関しては、満足しないワケがない。その後で、「あんなにショウの前後と曲間でバンド名をコールしているのなんて見たことない」と言ったら、「え? 14年前もそうだったし、日本はいつもこうなんだと思ってたよ。違うのか…ワオ!」って驚いてた。14年前もそうだけど、いつもビックリしているというか、日本のファンの熱さに驚いてるって印象だね~。

 (Part 2につづく…)
by naniwametal | 2009-07-16 23:31
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