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ダイヤリ
by naniwametal


地球消滅より惨事2件の妙なリアルさに釘付け


 引き続き、RAVEN来日“後”――畔柳ユキしゃべりまくりインタビューをどうぞ~。


☆ ★ Yuki Kuroyanagi RAVENING Interview Part 2 ☆ ★


 

お:大熱狂の大阪公演から明けて6月11日――東京までの移動もバンドと一緒だったんですよね? 新幹線の中とかで何か面白いことありました?
ユ:彼等、新幹線に乗ったのも初めてだったけど、ギックリ腰の人(=ジョン)は静かに本を読んでいて、ジョーは寝ていた。時々「凄いスピードだぁ」とか誰かが言ってたな(笑)。そのマークは、「富士山が見えたら教えて~」とビデオの準備に余念がなかったけど、曇ってて見えませんでした…。
お:東京の会場では、開演前にフォトセッションをやったんですよね? 久々にオフ・ショットを撮っていかがでしたか?
ユ:全員、歳とったのは当たり前なんだけど…みんな膨張してて(笑)。マークなんて腕も鍛えてるから、太くなってお腹も出て、20年前の写真の倍だよ。かわいい面影は残ってるんだけど、とにかく“bigger”って感じ。あれじゃ、イギリス人じゃないよねぇ。
お:東京公演も大阪に負けないぐらいに盛り上がりまくりましたが、いかがでしたか?
ユ:大阪も東京もないっちゅーくらい、私自身がエキサイトしちゃって、覚えてないなぁ。途中、仕事(=撮影)放棄して歌っちゃってたし(苦笑)。どっちがどうとか細かいところはあるけど、基本は同じ。会場の大きさが違ってたから、(規模が小さな)大阪の方がもっと密に熱さを感じたかな。でも、フォト・ピットにいるだけじゃなくて、後ろに廻ったりしながら全体も見たけど、他のバンドのコンサートに比べて、とにかくファンが熱いとか、メンバーのプレイも含めて、特に違いはなかった。何か、ヨーロッパのサッカーの試合が終わった後みたいな感じしたよ。みんな歌って、ハァハァ息切れして、勝ったから満足…みたいな。毎日観たいなぁ~♪
お:大阪ではそうでもなかったですが、東京では新曲であからさまに盛り下がってましたね…? やっぱり仕方ない?
ユ:というか、新曲が悪いんじゃなくて選曲が悪いと思うけど。新譜が出てることすら知らない人も多くて、物販では新譜CDが飛ぶように売れてて、それもビックリ。だから、しょうがないんじゃない?
お:そんな日本のファン気質を知ってるハズなのに、新作から最も『GLOW』('94)っぽい「Bludozor」をやってしまうRAVEN…。やっぱり頑固ですよね?
ユ:これ、私の好きなRAMONESにも通じるんだけど、頑なというか――頑固じゃないと、ひとつのことをやり続けられないと思う。それでもジョンは、少し丸くなったかな。彼は昔から頑固だよ。彼等の歴史とか見てると分かるじゃない? 嫌なもんは嫌だという姿勢で、ちっとも妥協しないでやってきてさ。
 「bludozor」に関しては、もうジョンがああゆう曲が好きなんだと思う。意地を張っているのとは違って、「やりたいからやる」んだと思う。ファンにウケるウケないとかは関係なく。


  


お:東京では、アンコールでマーティ・フリードマンが飛び入りしましたが、あれはどんな経緯で? マーティがRAVENファンなんて、未だにピンとこない人もいると思うのですが…。
ユ:私は、個人的にマーティとは友達だったんで、ジョンから「マーティと一緒にやる」と聞いた時、「何で?」ってマーティに電話して訊いたの。そしたら、「何でユキさんがRAVENのジョンと話をしてるの? ボクは'81年にファンレター書いて、返事もらったりしたくらい大ファンなんだけど」…と。お互いその辺のことを知らなかったから、最初は「えええーーっ?!」となったけど、そこから色々と話していくうちに「この曲やれば?」とか、すっかり盛り上がっちゃった。
 マーティは、ハワイ在住時にファースト(『ROCK UNTIL YOU DROP』:'81)を買ったんだって。ただ最初、裏ジャケ見たらギタリストがテレキャス持ってたから、“このバンド、パンクかな?”と思いつつ、買って聴いてみたら、それでもう「ガーーンとやられた!」と言ってた。だからハワイにいた頃は、スリー・ピースのRAVENのコピー・バンドみたいなのを目指したらしいよ。
お:テレキャスのくだり…ワタシも全く同じ経験をしましたよ。それと、確かにHAWAIIはトリオでしたね。ヴォーカルも、ジョンに通じるシャウト・タイプだったし…。
ユ:うん。私もYouTubeで見たけど、確かに似てた(笑)。後日、私がマーティと盛り上がってるという話をジョンにメールして、「どうしてマークはテレキャスなの?」ってのも訊いたら、返ってきたレスが「(テレキャス持つのは)バカだから」…って!(笑)
お:(笑) マーティとのリハはご覧になりましたか?
ユ:うん。マーティが緊張気味で面白かったけど、音はシビれたよ。もうリハーサルで、いちいちシビレる音が出て来るのよ。だって、さらっと何気なく弾いてても、「これかよぉーーっ! 」みたいなリフが聴けて感動しちゃった。
お:アンコールの演目はどうやって決めたのでしょう?
ユ:マーティとやる曲は、メールのやりとりで決めたらしい。私とマーティでやんやと盛り上がってた時に、「メンバーがやらなそうな曲やってよー。マーティなら弾けるでしょ?」とけしかけたら、マーティも「うん。そうする、そうする。ファンが聴きたい曲だよね?」と言ってて、実際にリクエストしたところ、「却下された…」と残念がってた。
 ちなみに私とマーティは、『WIPED OUT』('82)から色々リクエストしたんだ。却下されても、私なんて「もう1回、“どうしてもこれだけはやりたい”ってジョンに言いなよ」とか命令しちゃって(笑)。そしたらマーティは、「そんなにしつこいと嫌われちゃうよ」…だって!
お:結局マーティとは、「For The Future」と「Don't Need Your Money」に加えて、STEPPENWOLFのあの「Born To Be Wild」もプレイしましたが、「Born~」はやはり、定番のカヴァー曲ということで候補に上がったのでしょうか?
ユ:誰でも知ってる曲だからね~。ジョンは「随分、久しぶりだぁ」みたいなことを言ってたよ。


       


お:東京公演終演後のメンバーの様子は?
ユ:終演後は、まず息切れしてて(笑)、あとはマーティも含め楽しそうにワイワイ騒いでたよ。興奮したまんまのテンションで、“やりきりました…!”という表情で、「おい、ユキどうだった?」みたいな。
 でも…何というか、いちいち出来栄えなんて気にしてないというか。アスレティック・ロックなんだから、手を抜いて出来るパフォーマンスじゃないよね。だから、「これくらい当然でしょ?」 みたいな結果が残る。意味分かるかな? 彼等にしてみれば、常に「今日もちゃんとガッツリやりました。やらなきゃ成立しません」…みたいなモンだと思う。
お:なるほど。
ユ:『LIVE AT THE INFERNO』のアナログ2枚組の見開きのところに、“決してオーヴァーダブしてません”という一言があるじゃない。あれを初めて読んだ時、“私…このバンド、何が何でも絶対に観たい!”って心に決めたのね。それで、アメリカまで観に行って、何ら偽りがなかった…って思ったワケ。14年前の初来日公演の時は、ジョンの声が出てないとかどうとか色々あったけど、パフォーマンスも彼等の気持ちも、全く変わっていない。あのセリフに偽りないまま、今も、これからも変わらないよ――RAVENというバンドは。
 まぁ、体型(の変化)は仕方ないとして(苦笑)。マーク自身は、まだ体のダメージが随所にあるみたいで、体調が辛そうな時もあった。抗生物質も飲んでいたし。だけど、体調が戻ったら鍛え直すだろうな。彼等がルックスもそこそこだったら、もうちょびっとファンが増えるかもね!(笑)
お:マーティはどんな様子でしたか?
ユ:どこまで書いてイイのか分からないので、一部ですけど――もう完全にファン。リハーサルが終わった時も、「楽屋には行けない」とか言うワケ(笑)。「ああゆう場所には行けない」「空気読まなきゃ」「だって、KYでしょ?」とか色々言いつつも、結局は、「緊張して行けないから、ユキさんも一緒なら…」みたいな(笑)。私が、「何よそれー? まるでファンみたいじゃん?」って言ったら、「まるでじゃなくて、ファンなんだよ。だから、緊張は当たり前でしょう」だって。もう何もかも面白かったんだけど――このくらいにしときますー♪
 あ…ちなみに、普通ゲストの人は、開演前くらいの時間に会場入りするもんだけど、マーティはずっと早くに来てましたよ。リハがあるからといっても、端でずっと見ていて、本当に好きなんだなぁ…というのはよく分かりました。
お:大阪、東京のセット・リストはいかがでした? 「何故コレをやらない?!」という思い入れ曲は他にありますか?
ユ:もっとやってという曲は沢山ありますよー。みんなそうじゃない? あと、要らない曲も何曲か…(苦笑)。今回の来日で分かったんだけど、リクエストはマーク・ギャラガーに言いましょう。過去の曲もやる気マンマンだから。彼だけ、ライヴ後も残ってしばらく日本にいたんだけど、「何が聴きたかった?」と訊かれたから、「Hell Patrol」とか色々リクエストしたら、「よし、分かった」と。つーか、来る前に訊いてくれ…って感じ(苦笑)。
お:奥さんと日本に残って、マークは観光とかしてたそうですね? 何か面白い話があったら教えてください。
ユ:京都や奈良に行ってましたよ。同行したワケじゃないから、細かくは分からないけど、奈良から「鹿が俺の地図を食べたー」みたいなメールを送ってきた(笑)。彼はいつも楽しくて、やんちゃで、ポジティヴだね。


       


お:さて――今回の来日を改めて振り返って、いかがでした? 動員面はちょっと寂しかったものの、観に来た人は大満足だったと思うし、それなりの結果は残せましたよね?
ユ:当然でしょ。お客さんの人数なんて関係ないです。実は大阪で、開演前に集客のことを何となく話したのよ。そしたら、ジョンもジョーも笑って、「ドイツでは15人の時もあったな」「最終的に30人にはなってたろ?」なんて話してた。そうゆうのは全然どうでもよくて、「このクラブは音がイイから、俺は満足だよ」って。状況云々じゃなくて、彼等にとっては自分が楽しいかどうかが大事なんだよ。
お:でも、ぶっちゃけ次の来日は難しそうな気が…。
ユ:そうかな? 集客だけを見れば、確かに難しいと思うポイントではあるけど、私自身は、集客だけで全てが判断されるとは思ってないよ。何故なら、新譜はRAVENらしくて良かったし、今回もバンドは素晴らしいパフォーマンスをやり遂げたから。観に来た観客を、誰ひとりとしてガッカリさせてないでしょ。むしろ彼等は、やるべきことは全部やったし、ベストは充分尽くした――その結果、「もう再来日はありません」なんて、あまりにビジネスライクな考え方だと思う。
 前回も今回の来日も、彼等にとっては決していいタイミングや、完璧な状況じゃなかったよね。それでも、2度も来日したワケで。私は、RAVENが2度も日本に来られたのには、集客だけではないちゃんとした理由があると思う。まず、パフォーマンスが素晴らしいという確信があること。それから、熱狂的なファンがついていること。来日願望が強いオーディエンスが、10年単位で区切っても(笑)、途切れずに常に存在するという事実。私も含めて、死ぬまでファンやってそうだもの、RAVENの場合(笑)。そして、今回の来日でもうひとつ理由が加わった。それは、このパフォーマンスをもっと沢山の人に観て欲しい――それから、もう一度観たいと願うファンの存在。そういった理由が、セールスや政治的なことだけではなく、何かを動かすパワーになると信じたいね。セールスだけの結果でしか来日が実現しないのなら、彼等は日本になんて来られなかったんじゃない? でも、来られた。観られた――2度も。だから、次もあるよ。
お:そうですね!
ユ:このバンドは存在やあり方が特別だよ。“何としても日本に呼びたいんだ!”という思いが、ファンの間でメラメラと常に燃え上がってるじゃない(笑)。くすぶってない。正に“Walk Through Fire”!! 今回観た人達も、「もう観ちゃったから満足。ご苦労様でした」とは思ってないと思う。「近いうちにまた来てーーーっ!!」じゃないの? 私はそうだよ。なかなかそう思わせるバンドもいないでしょ? 30年続いているバンドで。
 「日本のファンは熱いだけじゃなくて、ちゃんとRAVENのマインドを理解し、リスペクトしていると思う」と話したら、ジョンが深くうなずいて、「そう、見えるよ。ホントに素晴らしい」と言ってたし。まぁ、「アンタ達が素晴らしいから、そうゆうファンが付くんだよ」と伝えときましたけど。
お:でも…次は14年後とは言わずに、遅くとも5年後ぐらいに来て欲しいです。流石に60歳越えだと、さらに色々と不安要素が増えてくるので…(苦笑)。
ユ:そうだねー。私が「来年も来てよ」と言うつもりが、「来週も…」と言っちゃったら、ジョーが「俺、来週も来たいよ。マジで」と言ってた。
 それにしても、来る前からワクワクしてた私達を、予定通り満足させてくれた来日公演だったね。ホント…サイコーのバンドだなぁ!
お:そう思います…! 本日はどうもありがとうございました。


  
   ▲さ~て、次回来日公演はいつになることやら…?
by naniwametal | 2009-07-17 23:16
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